I Got Rhythm

基本データ

作曲年
1930年
作曲者
George Gershwin (1898-1937)
作詞者
Ira Gershwin(1896-1983)

参考音源

Art Tatum Trio (1944)
アップ・テンポでの演奏で、後半には後術するF♯m7 B7から始まるリハーモニぜーションが演奏される。キーはB♭。
Hampton Hawes Trio Vol. 1 (1955)
アップテンポで演奏している。テーマ中はFのベース・ペダル・ポイントを多用し、5-6小節目を Bm7 E7 | E♭maj7 A♭7 | のようにしている。キーはB♭。
Paul Motian / On Broadway Vol. 2 (1989)
モチアン、ロヴァーノ、フリゼル、ヘイデンによるカルテットで、1コーラス34小節で演奏している。キーはB♭。

曲目解説

1930年のミュージカルGirl Crazyの一曲。当時、演奏はベニー・グッドマン、グレン・ミラー、ジミー・ドーシーらを擁するレッド・ニコルズ楽団だったという。

この曲のコード進行をもとに多くのジャズ・オリジナルが作曲された。これらを総称して「リズム・チェンジ」というが、これは、“I Got Rhythm” change すなわち、「I Got Rhythmのコード進行(の曲)」の略である。日本語ではなぜか「ジュンカン」と言われることもあるが由来は不明。

AABA形式で、もともと最後のAが10小節で、1コーラス34小節であるが、32小節で演奏されることもある。ただし、この曲を元に書かれた曲(リズム・チェンジの曲)のほとんどは1コーラス32小節である。また、AAB形式のヴァースがある。

コードとメロディ

キーをB♭として説明する。また、原則としてI Got Rhythmについて記すものとする。ほかのリズム・チェンジの曲については、メロディとコードの関係によって多くのバリエーションが存在するので個別に考える必要がある。

1-16小節目

セクションA(8小節)が2回繰り返される。

8小節のセクションAのうち、前半の4小節は、2泊ずつの「イチ・ロク・ニ・ゴ」の繰り返し(またはそのバリエーション)である。

セクションAの後半の4小節は、B♭maj7 B♭7 | E♭maj7 E♭m7 | Cm7 F7 | B♭maj7 (F7) || あたりがオリジナルに近く、メロディともよくサウンドする。

ところが、特にソロ中におけるこの部分のコードは、ブルースやBye Bye Blackbirdと同様に、比較的柔軟に演奏されるケースが多い。したがって、特にリズム・セクションの奏者は、ソロイストの演奏内容を踏まえながら対応する必要がある。

具体的には、2回目の8小節の最後の部分が、Cm7 F7 | B♭maj7 || のようにトニックに解決してブリッジに進行するのに対し、1回目の8小節の最後の部分は、Dm7 G7 | Cm7 F7 || のように演奏されるケースが多い(ただし、テーマメロディに対しては必ずしもこの限りでない)。

また、5小節目にはFm7 B♭7、また6小節目にはE♭ma7 Edim7やE♭maj7 A♭7のようなバリエーションがある。

なお、ソロ中に突然、Aセクションの前半を、F♯m7 B7 | Em7 A7 | Dm7 G7 | Cm7 F7 | のように演奏するピアニストが多い。例えば古くは1940年代にArt Tatumが演奏している録音がある。

17-24小節目

ブリッジ(さび)の部分である。2小節ごとに、D7-G7-C7-F7の和声構造を持つ。

これも様々なリハーモニぜーションが考えられる。一例をあげると、Am7 | D7 | Dm7 | G7 | Gm7 | C7 | Cm7 | F7 | (それぞれのコードの前半をリレイティブ・マイナー・セブンス・コードに置き換えたもの)がある。ほかに、トライトーン代理や、23-24小節目をD♭m7 G♭7 | Cm7 F7 | にするなど多くの方法がある。

25-34小節目

いわゆる「さびあと」のセクションAである。

本来この部分は10小節であるが、2回目のセクションAのように8小節で演奏されることもある。

10小節で演奏する場合、7-8小節が B♭maj7 A♭7 | G7 | のように演奏される(オリジナルは、B♭maj7 Fm7 | G7 | に近いかも知れない)。もちろん、Dm7(♭5) | G7 | のようにしても構わないが、7小節目にA♭をコード・トーンに含むものにするのが基本的な考え方といえよう(もちろんより創造的にリハーモナイズできるならそれで構わない)。

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