Work Song

基本情報

作曲年
1960年
作曲者
Nat Adderley (1931-2000)
作詞者
Oscar Brown Jr. (1926-2005)
別名
Sing Sing Song

参考音源

Nat Adderley / Work Song (1960)
チェロのピチカート(Sam JonesとKeter Betts)を配しているのが特徴。リーダーのコルネットのほか、ピアノはBobby Timmons、ギターがWes Montgomery、ベースはPercy Heath、ドラムがLouis Hayes。キーはFmだが、ソロ中のコードはF7に置き換わっている。
Cannonboll Adderley / Them Dirty Blues (1960)
こちらは、アダレイ兄弟とBarry Harris、Sam Jones、Louis Hayesのリズム・セクション。キーはFm。

曲目解説

コルネット奏者ナット・アダレイの代表曲で1960年の作品とされる。1月にチェロをフィーチャーした自己のバンドで録音、3月にはキャノンボール・アダレイ名義のアルバムに収められ、また、歌手のオスカー・ブラウンJr.によって歌詞が付けられたものが10月には早くもリリースされそれぞれヒットした。

以後アダレイ兄弟は、たびたびこの曲を演奏・録音し、また他のミュージシャンによる演奏も多い。歌手のものでは、Nina Simoneの録音(1966年)のほか、Claude Nougaroという歌手が歌ったフランス語版(タイトルはSing Sing Song、1965年)もある。

ワーク・ソングとは、労働歌のこと。労働歌は世界各地にあるが、Nat Adderley(1960)の録音ではメロディの冒頭が2小節ごとにミュート・コルネットとチェロで交代で演奏されており、アメリカ黒人奴隷による労働歌をモチーフにしていると考えられる。

コード

ソロのときのコードは、Nat Adderley(1960)ではF7、Cannonball Adderley(1960)ではFmと大きく異なっている。

またそれ以外も、テーマのときも含めて微妙な違いがあることに注意されたい。

演奏のポイント

構成

テーマは、前/後ともに、16小節を2回ずつ演奏することが多い(録音をよく聞くこと)。

ソロのコーラス数は、Nat Adderley(1960)では16小節を2コーラスずつ、Cannonball Adderley(1960)では3コーラスずつ演奏している。これは、スタジオ録音のためにおそらく決めているだけであって、実際のライブやセッションではこのとおりでなくてもよい。

ただし、テーマは2回繰り返される。そこでひとつの考え方を提起してみたい。

16小節の繰り返し2回で1コーラスという解釈も可能ではなかろうか。そして、ソロは32小節(16小節x2)単位で演奏してみてはどうかということである。

これは、Cannonballの演奏は48小節(16小節x3)ずつ演奏しているので、この考え方にとらわれる必要性は必ずしもないことは自明である。しかし、Natの録音とCannonballの録音をそれぞれ聞き比べたときに、前者のほうがなんとなく全体として調和がとれているように思うのは私だけだろうか。そして、ひょっとしたら、テーマもソロも32小節ずつ演奏しているというところに原因があるのかもしれない。

実際の演奏でソロを32小節単位で何回か繰り返すか、16小節単位でよしとするか、このあたりは、リーダーとしてのこだわりを発揮してもよいのではないかと思うがいかがだろう。ひとつの問題提起として受け止めていただければ幸いである。

各パートの役割

テーマの冒頭12小節目まで、ぜひ一度各パートが何をしているか注目しながら聞き直していただきたい。

まず、メロディは、上の解説でも書いたが黒人による労働歌がモチーフになっているので、2小節(1フレーズ)ごとに、コール・アンド・レスポンスで演奏されることが多い。具体的には、2人のメロディ楽器が交代で演奏するか、最初の2小節を誰かのソロで、次の2小節を全員で、という方法が一般的である。この演奏方法はアメリカ黒人による労働歌や黒人霊歌の演奏方法に由来している。

次に、バッキングであるが、1拍目は、ベースとドラムによって演奏されている。また、Nat Adderley(1960)にはないがアウフタクト(弱起)の4分音符、それから4小節目と8小節目のそれぞれ4拍目の4分音符は、ベースによってのみ演奏されている。

そして、冒頭の12小節目はコード楽器(ピアノ・ギター)は完全に休んでいる(ギターは、よくきくと3-4小節目などレスポンスの部分をチェロとユニゾンしているが、コード楽器としての役割はしていない)。

もちろん、ジャズはクリエイティブな音楽であるから、どのように演奏しようと自由である。

しかし、アンサンブルを学ぶ上ではまず、各パートがどのようになっているか、詳細に分析しておくという作業は大切である。そして、できればそのとおりに演奏してみることも大事である。

例えば、ピアニストであれば、冒頭の12小節を何も演奏しないことはとても手持ち無沙汰に感じるに違いない。しかし、一度実際に経験することで、この曲にかぎらず、何も演奏しない(正確には休符を演奏する)ということが、表現のひとつの選択肢として獲得できるかもしれない。

また、自由に演奏したものと、原曲通り演奏したものと、実際のCDを聴き比べるのも面白い。自由に良かれと思って演奏したことが、客観的に聴いてみると案外ごちゃごちゃした演奏を与えることもあるだろう。また、原曲通り演奏してみたものの、聴き返してみたらスカスカで、それがCDと聴き比べればその差が歴然ということもあるかも知れない。そういうことに気づいたら占めたもの。何をどうしたらよいか。例えば音の長さ、ダイナミクスやアーティキュレーションについて、原曲がどうで自分たちがどうか、ということに神経を行き届かせるようになる。そうなったら、アンサンブル能力がステップアップする日は近い。

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